投稿したユーザー : shigehiko21
面接の終盤になると、面接官から「最後に質問はありますか」と聞かれることがあります。
これは「逆質問」と呼ばれ、応募者が企業や仕事内容について確認する機会です。しかし、「何を聞けば評価される?」「質問が思い浮かばない」と悩む就活生もいるでしょう。
逆質問は、自分を無理にアピールするためだけの時間ではありません。企業への理解を深め、自分に合う職場かを判断するための大切な機会でもあります。
この記事では、面接官が逆質問をする理由、質問を考えるときのポイント、状況別の例文、避けたい質問について解説します。
逆質問とは、応募者から面接官へ質問することです。
一般的な面接では企業側が応募者に質問しますが、面接の終盤には「確認しておきたいことはありますか」「何か質問はありますか」と、応募者が質問できる時間が設けられることがあります。
逆質問では、主に次のような内容を確認できます。
■具体的な仕事内容
■入社後の研修や教育制度
■職場の雰囲気やチーム構成
■若手社員に求められる役割
■仕事の評価方法
■今後力を入れる事業
■配属やキャリア形成
採用サイトや会社説明会では分からなかった情報を確認し、企業との相互理解を深めることが目的です。
求人情報や採用サイトだけで、実際の仕事をすべて理解することは困難です。
そこで企業は、応募者が疑問に感じていることを確認し、入社後の認識の違いを減らすために逆質問の時間を設けます。
仕事内容や働き方について気になることがある場合は、遠慮せずに確認しましょう。企業から一方的に評価されるだけでなく、応募者も企業を判断する機会です。
質問の内容から、応募者が企業のどの部分に関心を持っているかが伝わります。
例えば、「入社後、若手社員はどのような業務から担当しますか」という質問からは、実際に働く姿を具体的に考えていることが分かります。
ただし、質問をしただけで入社意欲が高いと評価されるとは限りません。企業研究の内容や面接中の話と結び付いた質問をすることが大切です。
応募者が何について質問するかによって、仕事選びで大切にしていることが見える場合があります。
■仕事の進め方を聞く人
■成長や研修について聞く人
■チーム内の連携について聞く人
■企業の今後の方向性について聞く人
面接官は逆質問への回答だけでなく、その後の会話を通じて応募者の関心や考え方を知ろうとしています。
逆質問は、応募者が自分から会話を進める場面です。
面接中に説明された内容を踏まえて質問できるか、質問の意図を簡潔に伝えられるか、相手の回答を聞いて自然に会話を続けられるかなどが見られることもあります。
用意した文章を暗記して読み上げるのではなく、面接官の話を聞きながら言葉を調整しましょう。
逆質問は、事前に3~5個程度用意しておくと安心です。
採用サイト、求人情報、会社説明会の資料、企業の公式発表などを確認し、調べても分からなかったことを質問にします。
質問を1つしか用意していないと、面接中に回答が出てしまったり、ほかの応募者と重複したりする可能性があります。仕事内容、社風、成長、事業など、異なる分野から考えておきましょう。
面接官によって、詳しく回答できる内容は異なります。
| 面接官 | 質問しやすい内容 |
|---|---|
| 採用担当者 | 選考、研修、配属、評価制度、会社全体の制度 |
| 現場社員・管理職 | 実際の業務、仕事の進め方、チーム、必要な能力 |
| 役員・経営者 | 経営方針、事業の将来性、会社が求める人物像 |
現場の細かな一日の流れを役員に聞いたり、経営上の意思決定を採用担当者に聞いたりすると、答えるのが難しい場合があります。
相手の所属や役職が分からない場合は、質問の前に確認しても構いません。
事前に準備した質問だけでなく、面接中の説明から疑問を広げることも大切です。
例えば、面接官から「若手にもプロジェクトを任せている」と説明された場合は、次のように質問できます。
「先ほど、若手社員にもプロジェクトを任せていると伺いました。入社後、任されるまでにどのような経験を積むことが多いでしょうか」
話の内容と関連付けることで、説明を聞いていたことが伝わり、自然な会話になります。
いきなり質問するよりも、「入社後の働き方を具体的に理解したいため」など、質問の背景を短く添えると意図が伝わりやすくなります。
ただし、前置きが長すぎると要点が分かりにくくなります。質問の背景は一文程度にまとめましょう。
「研修はありますか」のような質問は、短い回答で終わる可能性があります。
具体的な情報を得たい場合は、次のように聞き方を変えましょう。
「新入社員向けの研修では、どのような内容を学ぶのでしょうか」
「研修後に仕事を覚える際は、どのようなサポートを受けられますか」
「どのような」「どのように」と尋ねることで、詳しい説明を引き出しやすくなります。
■入社後、新入社員はどのような業務から担当することが多いでしょうか。
■配属予定の部署では、現在どのような課題に取り組んでいますか。
■一日の仕事の流れについて、差し支えない範囲で教えていただけますか。
■この仕事で成果を出している社員に共通する行動や考え方はありますか。
■若手社員が一人で業務を担当するまでに、どのような経験を積むのでしょうか。
仕事内容を質問するときは、求人情報に書かれている内容をそのまま聞くのではなく、実際の働き方まで掘り下げることがポイントです。
■入社までに勉強しておくとよい知識や身に付けておくべき能力はありますか。
■新入社員への指導や業務上のフォローは、どのように行われますか。
■若手社員は、どのような方法で仕事の振り返りや助言を受けていますか。
■配属後のキャリアについて、実際の事例を教えていただけますか。
■将来的に〇〇の業務へ関わるためには、どのような経験が求められますか。
「成長できますか」と抽象的に聞くより、制度や実例について質問したほうが具体的な情報を得られます。
■配属予定の部署では、どのように役割を分担していますか。
■仕事を進める際、部署内や他部署とはどのように連携していますか。
■若手社員から意見や提案を出す機会はありますか。
■〇〇様が仕事をするうえで感じている、この職場の特徴を教えていただけますか。
■チームで仕事を進める際に、大切にしていることは何でしょうか。
「職場の雰囲気はよいですか」と聞くと、回答が抽象的になりがちです。業務上の連携方法や意見交換の機会など、確認したいことを具体化しましょう。
■今後、特に成長させたいと考えている事業について教えていただけますか。
■〇〇事業を拡大するうえで、現在の課題は何でしょうか。
■企業理念を実際の業務へ反映するために、どのような取り組みを行っていますか。
■今後の事業展開において、若手社員にはどのような役割を期待していますか。
■同業他社と比較した際、貴社が特に大切にしている強みは何でしょうか。
企業の公式サイトや発表資料を確認したうえで、「〇〇を拝見しました」と情報源を添えると質問の背景が伝わります。
企業の採用サイトや求人情報に明記されている内容をそのまま聞くと、企業研究が不足していると思われる可能性があります。
ただし、掲載情報について詳しく確認する質問であれば問題ありません。
避けたい例:
「御社の事業内容を教えてください」
改善例:
「貴社が力を入れている〇〇事業について、新入社員が関わる機会はありますか」
面接官が説明した直後に同じ質問をすると、話を聞いていなかったと思われる可能性があります。
追加で確認したい場合は、「先ほど伺った〇〇について、もう少し詳しく教えていただけますか」と、深掘りする形にしましょう。
次のような質問は、回答が難しい場合があります。
■公表前の売上や新規事業
■特定の社員に関する個人的な情報
■競合他社の機密情報
■面接官が担当していない業務の細部
■合否を直接確認する質問
「私は合格できますか」「本日の面接は何点でしたか」といった質問も、面接官が答えにくいため避けましょう。
逆質問は自己PRの機会にもなりますが、自分の経験を長く説明してから形式的に質問するのはおすすめできません。
避けたい例:
「私は大学で〇〇を学び、サークルではリーダーを経験し、アルバイトでは売上改善に取り組みました。この経験を生かせますか」
改善例:
「大学ではデータ分析を学びました。入社後、分析力を生かせる業務にはどのようなものがありますか」
質問の中心は、相手から情報を得ることだと考えましょう。
給与、休日、残業、転勤などは、企業を選ぶうえで重要な情報です。一律に「質問してはいけない」と考える必要はありません。
募集時には、業務内容、就業場所、労働時間、賃金などの労働条件を明示することが企業に求められています。2024年4月からは、業務・就業場所の変更範囲など、明示事項も追加されています。mhlw.go.jp
まずは求人票や採用サイトを確認し、不明点や記載内容の違いを質問しましょう。
■求人票に記載されている勤務時間について、配属部署での一般的な一日の流れを教えていただけますか。
■繁忙期と通常期では、業務量にどのような違いがありますか。
■転勤の可能性について、対象となる地域や一般的な頻度を教えていただけますか。
■給与制度について、求人票に記載された内容以外に確認しておくべき点はありますか。
選考の初期段階では仕事内容に関する質問を中心にし、詳細な条件は採用担当者との面談や内定承諾前に確認する方法もあります。
大切なのは、条件だけを連続して質問するのではなく、自分が判断するために必要な情報を適切な相手へ確認することです。
逆質問の数に決まりはありませんが、実際の面接では1~3問程度が目安になります。
面接官が「あと一つでお願いします」と伝えた場合や、終了予定時刻が近い場合は、質問数を調整しましょう。
「3つ質問があります」と最初に伝えると、面接官が時間を判断しやすくなります。回答の中で疑問が解消された場合は、無理にすべて質問する必要はありません。
面接中の説明で疑問が解消された場合は、無理に質問を作る必要はありません。
次のように、お礼と理解できたことを伝えましょう。
「本日のお話の中で詳しくご説明いただき、現時点での疑問は解消できました。特に〇〇について理解が深まり、入社後の仕事をより具体的にイメージできました。ありがとうございます」
ただし、毎回「特にありません」とだけ回答することを避けるためにも、事前に複数の質問を準備しておくと安心です。
面接では、応募者の適性や能力と関係のない個人情報について尋ねられる場合があります。
厚生労働省は、本籍・出生地、家族、住宅状況、思想・信条など、本人の適性や能力に関係しない事項を採用基準にすることは、公正な採用選考の観点から問題になると案内しています。厚生労働省
答えにくい質問をされた場合は、無理に詳しく答える必要はありません。大学のキャリアセンターや最寄りのハローワークへ相談することも検討しましょう。
面接官が「質問はありますか」と聞く主な理由は、応募者の疑問を解消し、企業や仕事への関心、価値観、コミュニケーションの取り方を確認するためです。
逆質問を考える際は、次のポイントを意識しましょう。
■企業研究を行ったうえで3~5個用意する
■面接官の立場に合った内容を選ぶ
■面接中の説明を踏まえて質問する
■質問の意図を簡潔に伝える
■具体的な回答を得られる聞き方にする
■給与や休日も必要に応じて適切に確認する
逆質問は、企業へ入社意欲を示すだけの時間ではありません。仕事内容や働き方への理解を深め、自分に合う企業かを判断する機会でもあります。
評価されそうな質問を無理に考えるのではなく、自分が納得して入社するために確認したいことを整理しておきましょう。