投稿したユーザー : shigehiko21
「企業研究を始めたものの、何を調べればよいのか分からない」「情報を集めるだけで、志望動機に生かせていない」と悩んでいる就活生も多いのではないでしょうか。
企業研究は、情報量を増やせばよいわけではありません。調べる目的を決め、複数の企業を同じ基準で比較し、得た情報を自分の価値観や経験と結び付けることが重要です。
この記事では、企業研究を効率よく進めるコツや企業への理解を深める方法、企業研究ノートの作り方、面接対策への生かし方を紹介します。
企業研究とは、応募を検討している企業の事業内容や強み、経営方針、仕事内容、働き方などを調べ、その企業への理解を深めることです。
主に次のような情報を確認します。
ただし、企業の情報を集めて暗記するだけでは、十分な企業研究とはいえません。
調べた情報をもとに「自分に合っているか」「なぜ興味を持ったのか」「入社後に何をしたいのか」を考えることが大切です。
企業研究を行うと、仕事内容や働き方が自分の希望と合っているかを判断しやすくなります。
知名度やイメージだけで企業を選ぶと、実際の仕事や職場環境が希望と異なる可能性があります。企業の事業や募集職種、勤務地、キャリアなどを確認したうえで応募先を選びましょう。
面接官に納得してもらえる志望動機を作るためには、その企業ならではの特徴を理解する必要があります。
「商品に魅力を感じたから」「成長できると思ったから」だけでは、ほかの企業にも当てはまる内容になります。
企業研究を行い、事業の特徴と自分の経験、入社後に実現したいことを結び付けることで、具体的な志望動機を作れます。
面接では「なぜ同業他社ではなく当社なのですか」と聞かれることがあります。
この質問に答えるためには、応募先だけでなく、競合する企業も調べなければなりません。
商品や顧客、販売方法、技術、企業理念、今後の方針などを比較すると、応募先ならではの特徴が見えてきます。
企業研究は選考を通過するためだけでなく、入社後のミスマッチを減らすためにも重要です。
仕事内容や配属、勤務地、勤務時間、研修制度などを詳しく確認することで、入社後の働き方をイメージしやすくなります。
ただし、公開されている情報だけで職場のすべてを把握することはできません。会社説明会、社員訪問、インターンシップなども活用しましょう。
最初に、何のために企業研究をするのかを決めましょう。
目的によって、優先して調べる内容は異なります。
| 目的 | 優先して調べる内容 |
|---|---|
| 応募先を選びたい | 事業、仕事内容、勤務地、働き方 |
| 志望動機を作りたい | 強み、理念、事業方針、競合との違い |
| 面接に備えたい | 最近のニュース、課題、希望職種 |
| 内定先を比較したい | 配属、待遇、キャリア、転勤、研修 |
| 逆質問を考えたい | 公開情報で分からなかった点、今後の計画 |
目的を明確にすると、必要のない情報まで調べ続けることを防げます。
企業研究を始める前に、自分が企業選びで大切にしたい条件を整理します。
例えば、次のような項目です。
すべての希望を満たす企業を探すのではなく、譲れない条件と、できれば満たしたい条件に分けると比較しやすくなります。
企業選びの軸が分からない場合は、自己分析を通じて過去の経験や価値観を振り返りましょう。
すべての企業を同じ深さで調べると、企業研究に時間がかかりすぎてしまいます。
企業への関心度や選考段階に応じて、調べる深さを変えることがポイントです。
関心度の低い企業は基本情報を中心に確認し、志望度が高まった段階で詳しく調べると効率的です。
企業ごとに異なる項目を調べていると、比較しにくくなります。
あらかじめ確認項目を決め、すべての企業を同じ形式でまとめましょう。
| 分類 | 確認する内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 設立、本社、従業員数、事業拠点 |
| 事業 | 商品、サービス、顧客、収益の仕組み |
| 強み | 技術、ブランド、顧客基盤、専門性 |
| 経営 | 理念、ビジョン、中長期的な方針 |
| 仕事 | 募集職種、業務内容、配属 |
| 働き方 | 勤務地、休日、転勤、勤務制度 |
| 成長環境 | 研修、資格支援、キャリアパス |
| 採用 | 求める人物像、選考方法、採用実績 |
| 最近の動き | 新商品、新規事業、提携、組織変更 |
テンプレートを用意しておけば、調べるたびに確認項目を考える必要がなくなります。
企業研究で得た情報は、ノートやデジタルツールにまとめましょう。
紙のノートだけでなく、表計算ソフト、メモアプリ、文書作成ツールなど、自分が見直しやすい方法で構いません。
企業研究ノートには、次の内容を記録します。
選考で自分が伝えた内容も記録しておくと、次の面接で回答が大きく変わってしまうことを防げます。
企業研究ノートでは、確認できた事実と、自分の解釈を分けて記録しましょう。
例えば、次のように整理します。
| 種類 | 記入例 |
|---|---|
| 事実 | 法人向けの〇〇サービスを全国で展開している |
| 自分の考え | 幅広い業界の顧客と関われる可能性がある |
| 魅力を感じた理由 | アルバイトで培った提案力を生かせると考えた |
| 確認したいこと | 新入社員が顧客を担当するまでの流れ |
「若手が活躍している」「風通しがよい」といった表現も、そのまま受け取るのではなく、具体的な制度や事例があるかを確認しましょう。
一つの情報源だけに頼ると、情報が不足したり、見方が偏ったりする可能性があります。
次のような情報源を組み合わせましょう。
上場企業などの財務内容や事業情報を調べる場合は、金融庁のEDINETで有価証券報告書などを確認できます。
匿名の掲示板や口コミには、投稿者の主観や古い情報が含まれる場合があります。参考にする場合でも、一つの投稿だけで企業全体を判断しないようにしましょう。
企業の特徴は、1社だけを調べても見つけにくいものです。
同じ業界から3社程度を選び、共通の項目で比較しましょう。
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 主な顧客 | |||
| 主力事業 | |||
| 強み | |||
| 募集職種 | |||
| 今後の方針 | |||
| 勤務地 | |||
| 魅力を感じた点 | |||
| 気になる点 |
比較するときは、売上や企業規模だけで優劣をつける必要はありません。自分の企業選びの軸に合っているかを考えることが重要です。
残業時間、有給休暇取得率、育児休業取得率などの数字を比較する場合は、対象となる年度や雇用区分も確認しましょう。
例えば、企業全体の平均値と特定の職種・事業所の実態が同じとは限りません。連結と単体、正社員全体と新卒社員など、数字の対象が異なれば単純には比較できません。
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、企業が公開している残業時間や有給休暇取得状況などを検索・比較できます。
数字だけで働きやすさを断定せず、説明会や社員訪問でも具体的な運用状況を確認しましょう。
企業研究には終わりがありません。調べようと思えば、いくらでも情報を集められます。
時間をかけすぎないために、次のように期限を決めましょう。
時間はあくまで目安です。重要なのは、調べる時間を決め、その後に志望動機や面接回答を作成する時間を確保することです。
会社説明会では、企業の担当者から事業内容や仕事内容、採用情報について直接説明を受けられます。
参加前に公式サイトを確認し、公開情報だけでは分からなかった内容を質問しましょう。
質問例は次のとおりです。
説明会が終わったら、印象に残った内容や担当者の回答を企業研究ノートへ記録します。
仕事や職場について詳しく知りたい場合は、オープン・カンパニーやインターンシップへの参加も有効です。
短期間で企業や業界の情報提供を受けるプログラムは、一般的にオープン・カンパニーに該当します。一定の要件を満たし、就業体験を行うプログラムがインターンシップです。
募集時に「インターン」と案内されていても、実施内容が企業説明やグループワークのみの場合があります。応募前に、実施期間、就業体験の有無、社員からの指導やフィードバックなどを確認しましょう。
制度上の分類については、文部科学省「大学等におけるインターンシップの推進」で確認できます。
社員訪問では、現場で働く社員から仕事内容やキャリアについて聞けます。OB・OG訪問と呼ばれることもあります。
次のような内容を質問してみましょう。
社員の回答は、その人の所属部署や経験に基づくものです。一人の意見を企業全体の特徴と判断せず、可能であれば職種や年代が異なる複数の社員から話を聞きましょう。
また、訪問を依頼するときは、目的、希望日時、質問したい内容を簡潔に伝えます。面談後にはお礼の連絡も忘れないようにしましょう。
企業や業界を取り巻く環境を理解するためには、新聞やニュースも役立ちます。
企業名だけでなく、次のようなキーワードを組み合わせて検索してみましょう。
ニュースを読んだら、内容を覚えるだけでなく、応募先にどのような影響があるかを考えます。
重要な情報は、企業のニュースリリースや官公庁の資料などでも確認してください。
企業研究ノートは、次のような形式でまとめると選考に活用しやすくなります。
企業研究で得た情報を志望動機に使う場合は、企業の特徴を並べるだけで終わらせないことが大切です。
次の順番で整理しましょう。
例えば、「海外事業に力を入れている点に魅力を感じた」だけでは、応募者本人との接点が分かりません。
「大学で〇〇を学んだ経験を生かし、貴社が強化している海外向け事業に携わりたい」のように、自分の経験や将来像と結び付けましょう。
企業研究を行っておくと、次のような質問に答えやすくなります。
回答を作るときは、企業から得た情報だけでなく、自分がどのように考えたのかを伝えてください。
企業研究で見つけた疑問点は、面接の逆質問に活用できます。
例えば、次のような質問です。
「中期経営計画で〇〇分野を強化すると拝見しました。新入社員が将来この分野に携わるためには、どのような経験を積む必要がありますか」
すでに公開されている内容をそのまま質問するのではなく、企業の情報を踏まえて一歩深い質問を考えましょう。
公式サイトの内容をそのままノートに写しても、自分の考えは深まりません。
情報を記録した後に「なぜ気になったのか」「自分とどのような接点があるのか」を書き加えましょう。
志望度が高い企業ほど、良い情報ばかりを集めてしまうことがあります。
仕事内容の難しさ、転勤の可能性、配属方法、事業上のリスクなども確認し、入社後の働き方を現実的に考えましょう。
口コミは個人の経験や価値観に基づく情報です。所属部署、職種、勤務地、在籍時期によって状況が異なる可能性もあります。
気になる内容を見つけた場合は、ほかの資料や説明会などで確認できるか調べましょう。
情報収集が目的になり、エントリーシートや面接練習に取り組めなくなっては本末転倒です。
一定の時間で情報を整理し、その内容を志望動機や面接回答へ変換するところまで進めましょう。
企業研究を効率よく進めるためには、最初に目的と企業選びの軸を決め、確認する項目を統一することが重要です。
得た情報は企業研究ノートや比較表にまとめ、事実、自分の考え、確認したいことを分けて記録しましょう。公式サイトだけでなく、公的な職場情報、決算資料、ニュース、会社説明会、社員訪問など、複数の情報源を組み合わせることもポイントです。
企業研究は情報を集めて終わりではありません。企業の特徴と自分の経験や価値観を結び付け、志望動機、面接回答、逆質問に活用することで、選考に役立つ企業研究になります。